事業をしていると、どうしても必要になる専門知識があります。法律をはじめ経理や労務、企業支援策など、その分野は広く、とても一人では対応しきれないほどです。
そんな時に頼りにして欲しいのが、「士業」と言われる専門家です。しかし、「士業」と一括りに言ってもたくさんありますし、なんの専門家なのかあまり知られていない業種もあります。
そこで、士業の種類とどんな相談ができるのか、をまとめてみました。
士業の種類と専門業務、相談できること
弁護士
専門業務:法務事務全般
相談できる内容
- 訴訟業務等
※弁護士になる資格を持つ者は、司法書士、税理士、社会保険労務士、行政書士、弁理士の職務を行うことができます。が、これらの業務を専門的に行っている弁護士は多くないため、相談する前に確認が必要です。
公認会計士
専門業務:会計業務全般
相談できる内容
- 監査
※公認会計士は税理士登録をすることができ、登録すると税理士業務も行えます。税務業務を依頼する場合は事前確認が必要です。監査は大きな規模の企業で必要とされることが多いです。
司法書士
専門業務:登記、簡易裁判所における民事訴訟等
相談できる内容
- 不動産登記(不動産の売買等)
- 商業登記(法人設立時や法人の登記内容の変更等)
- 目的額140万円までの民事訴訟業務
税理士
専門業務:税法
相談できる内容
- 月次の経理処理
- 個人事業、法人の税務申告(所得税、法人税、消費税等)
- 相続税の申告
社会保険労務士
専門業務:労働関連法、社会保障、助成金
相談できる内容
- 従業員に関する社会保険、労働保険の手続き等
- 労働環境や労働条件に関する相談
- 雇用関係の助成金申請
中小企業診断士
専門業務:企業経営の戦略策定や経営診断
相談できる内容
- 経営戦略に関するコンサルティング(マーケティング、生産、金融、IT等)
- 中小企業支援策に関する申請等(補助金、支援金等)
行政書士
専門業務:各種許認可申請
相談できる内容
- 営業許可の申請等
※行政書士は官公署に提出する書類の作成を業務としています。中には他の士業の独占業務とされている業務もあり、代理申請ができないものもあります。
弁理士
専門業務:知的財産(特許等)
相談できる内容
- 知的財産権(特許、意匠権、商標登録等)の登録申請
その他の士業について
この他にも、建築士、土地家屋調査士、海事代理士など多くの士業はありますが、事業における相談となるとあまり関わることはないかと思われます。士業はお互いの職域を守るため独占業務を持っており、どんな仕事も請けられる訳ではありません。
澤井ゆかり
いざ相談する時のために、それぞれの専門分野だけでも知っておいてくださいね。