フリーランスに労働法が適用される?

長引くコロナ禍で普及した、ウーバーイーツなどのフードデリバリー。利用したことがありますか?

普及が進むにつれ問題になったのが、配達員の労働条件の悪さです。それによりウーバーイーツユニオンができるなど、配達員の労働条件の改善を求める動きがあります。

なぜこのような状況になったのでしょうか?

ウーバー配達員はフリーランス?

澤井ゆかり

原因は、会社が配達員を雇用関係にない個人事業主と認識しているからです。
  アルバイト 個人事業主
雇用形態 雇用契約 業務委託契約など
労働保険
(雇用保険・労災保険)
給付を受けられる 給付を受けられない

こうした背景を受けつつ、3月に「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」が策定されました。このガイドラインでは、フリーランスの労働者性の判断の仕方、労働者ではないと判断されたフリーランスの保護について書かれています。

フリーランスの労働者性判断と保護

フリーランスが労働者として判断された場合、労働法が適用され、労働時間や賃金に関するルールが発生します。

そして、労働者性を判断するにはいくつかの条件があり、主なものとして下記のものがあげられます。

労働者性の判断条件

  1. 仕事の依頼に対する許諾の自由があるか
  2. 業務内容や遂行方法について具体的な指示を受けているか
  3. 勤務時間や場所を指定され、管理されているか
  4. 報酬が時間をベースにして決定されていないか

では、これらの条件から労働者性がないと判断された場合、フリーランスはどのように保護されるのでしょうか?

発注者がフリーランスに対し、取引上の地位が優越していれば、独占禁止法の「優越的地位の濫用の禁止」が適用されます。

優越的地位の濫用の禁止

  1. 報酬の支払遅延
  2. 報酬の減額
  3. 著しく低い報酬の一方的な決定
  4. やり直しの要請
  5. 一方的な発注取消し
  6. 役務の成果物に係る権利の一方的な取扱い
  7. 役務の成果物の受領拒否
  8. 役務の成果物の返品
  9. 不要な商品又は役務の購入・利用強制
  10. 不当な経済上の利益の提供要請
  11. 合理的に必要な範囲を超えた秘密保持、競業避止、専属義務の一方的な設定
  12. 取引条件の一方的な設定・変更・実施

これらの行為を受けた、または受けていると感じた場合は、取引先が独禁法に違反している可能性があります。

澤井ゆかり

相談窓口が設置されていますので、公正取引委員会へご連絡してみてくださいね。

公正取引委員会相談窓口