新型コロナウイルスが収束し、社会が正常な活動を取り戻そうとしています。皆さんのお仕事でも、日常が戻っていますか?
フリーランスで仕事をする人にとって一番困るのは、報酬の未払いではないでしょうか。実際に未払いがあったとしても、フリーランスだからといって泣き寝入りをしてはいけません。いざという時のために、未払いを起こさないための予防策と、実際に未払いになった時の対応策を知っておいてください。
未払いを防ぐためには
まず予防策の一つとして、依頼をしてきた相手を知りましょう。今はネット経由で簡単に仕事を受けることができますが、可能な限り訪問し、依頼内容について十分に話すことをお勧めします。もし遠方などで無理なのでしたら、相手のHPなどでちゃんと実態のある会社なのかどうか、信用できる相手かどうか確認しましょう。
次に、必ず契約書を交わしましょう。業務内容や納品日、支払日、支払金額、キャンセル条項などを文章に残しておくことで、契約外の業務を頼まれたり、報酬の未払いや直前キャンセルなどのトラブルを防ぐことができます。そして、できるだけメールなどで連絡を取ることで、やりとりの記録を残しておくことも有効です。また、前金で報酬を受け取ることも、未払いリスクの軽減になります。
未払いが起きてしまったら
では、実際に報酬が支払われない、となった時にはどうしたらよいのでしょうか?
まずは、何度も相手に連絡を取ってみましょう。もしかしたら、支払期限を忘れていただけかもしれません。連絡がつかないなら、内容証明郵便を出すことで、相手方に支払いの督促をします。ただし、内容証明郵便は相手が受け取り拒否することもできるので、できるだけ内容証明だとわからないようにすることをお勧めします。
しかし、この内容証明には法的な拘束力はありませんので、出しても支払ってもらえないこともあります。そんな時は、専門家に相談してみましょう。「法テラス」という相談窓口でしたら、弁護士や司法書士など法律の専門家が相談に乗ってくれます。相手方との契約内容ややり取りを確認したうえで、対応の仕方をアドバイスしてくれたり、状況によっては解決の依頼をすることもできます。
そして、最後の手段としては少額訴訟という方法があります。60万円以下の請求額であれば、少ない費用で裁判所を介して相手方に請求することができます。もちろん少額訴訟のためには、契約書や相手方とのやり取りの記録がある方が有利になります。
フリーランスは、専門業務だけでなく営業から業務管理までを一人で行わなければなりません。契約書作成などは煩わしく、つい省略してしまう方もいるかもしれません。しかし、事業を継続して行う上で、報酬の未払いが発生するような事態は極力避けたいものです。
澤井ゆかり
そのために、依頼を受ける時は必ず、相手方との十分な交渉と契約書締結を心掛けてくださいね。