税金や保険制度におけるコロナ特例とは?

新型コロナウイルスの感染拡大により休業を余儀なくされ、収入が激減している事業者がたくさんいます。ようやくコロナ禍も収束しつつありますが、日常が完全に戻るにはまだ時間がかかりそうです。

給付金や補助金・助成金などの支援策もたくさんありますが、収入が激減して困るのは、税金や保険料など当面の支払いではないでしょうか。これらについてもコロナ特例として減免、納税猶予などが定められています。

減免と猶予の違いとは

減免は、支払い義務を免除してもらったり、金額を減額してもらうことです。

一方、猶予は、支払い期限を延期してもらう制度ですので、支払い義務は残ります。そのため、後日納付する必要がありますが、猶予制度を申請しておけば延滞金がかからないため、支払いの負担を軽減することができます。

保険や年金制度の特例

まず国民年金では、コロナウイルスの影響による納付困難者の臨時の免除申請が開始されました。R2年2月以降に収入が減少し、当年中の所得の見込みが国民年金の免除基準に該当すると見込まれる場合に、申請ができます。国民年金には、全額免除・4分の3免除、半額免除、4分の1免除と免除の段階が定められており、申請するとR2年2月分以降の保険料から免除を受けられることになります。

(免除基準など詳細については、日本年金機構のHPへ https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html

国民健康保険にも、保険料の徴収猶予制度があります。納付義務者や家族が病気にかかった時や収入が減少した時で、保険料の納付が困難になった場合に申請をすることで、6か月以内の期間で納付を猶予されます。一方、保険料の減免制度もあります。生計を維持する者がコロナウイルス感染症で死亡または重症となった場合には全額免除、収入が前年比で3割以上減少した場合は2割~全額の減額が受けられます。(詳細は、お住いの市区町村へ)

税金の特例

他にも、税金についても申請することで納税猶予を受けることができます。R2年2月~R3年1月中に納期限がある国税(所得税や消費税など)は、申請により1年間の納税猶予が受けられます。これには、前年比20%以上の収入減が条件となります。また、5月や6月には、自動車税や固定資産税の納付時期が来ますが、コロナウイルスの影響で収入が大幅に減少した場合など、一定の条件を満たせば納税猶予を申請できます。

事業用資産の固定資産税に関しては、売上の減少を条件に減免制度が設けられています。R2年2月~10月の任意の3ヶ月の売上を前年同月と比較し、30~50%未満の減少なら半額免除、50%以上の減少なら全額免除となります。

澤井ゆかり

通常の事業活動を取り戻すまで、まだ少し時間が必要だと思います。これらの制度を上手に活用し、コロナ禍を乗り切りましょう。