連日暑い日が続いておりますが、もうすぐ9月ですね。今から確定申告の話をしても、ピンとこない方も多いかと思います。しかし、今年分の確定申告には重要な改正点がありますので、そのための事前準備をしてくださいね。
制度の改正内容とは?
令和2年分の所得税の確定申告書の改正点として、青色申告特別控除額の改正があります。
今までは、青色申告特別控除額は10万円と65万円の2段階でした。税務署に青色申告をするという届出をすると10万円、さらに複式簿記での記帳をすると65万円の控除が使えました。それが、10万円、55万円、65万円の3段階に変更されます。従来通り、複式簿記で記帳しても55万円控除しか使えません。65万円控除をしようと思うと、複式簿記に加え、電子帳簿保存または電子申告をしなければならなくなりました。
また、期限内申告も条件となっており、申告期限を1日でも過ぎてしまうと10万円控除しか使えなくなります。
電子申告を利用するために
電子帳簿保存と電子申告では、どちらが利用しやすいのかというと、圧倒的に電子申告が利用しやすいです。電子帳簿保存は、会計ソフトでデータを保存していればいいわけではなく、保存の仕方などに細かい決まりがあります。そのため、特定の会計システムの導入が必要となり、コストがかかります。ですので、電子帳簿保存は個人事業主にとっては、あまり現実的でない方法となります。
では、電子申告を利用する場合、どのように行うのでしょうか。まず、税務署で利用者識別番号などを取るための申請をします。そして、「確定申告書等作成コーナー」という国税庁のWEBサイトで確定申告書等を作成し、そのまま送信するだけです。税金の納付は、振込でも口座振替でも可能です。この手順だけ見ても、電子申告の方がお勧めであることが分かります。
電子申請を利用するためには、事前に税務署へ本人確認書類を持って手続きに行かなければなりません。利用者識別番号等をもらうためです。手続き自体は簡単ですが、確定申告時期になると窓口が混み合うので、早めに済ませておくことをお勧めします。手続きは、所轄の税務署でなくても可能です。
澤井ゆかり
確定申告はまだまだ先の話・・、とお思いでしょうが、スムーズな申告のために早めに税務署で電子申告利用の手続きを済ませておいてくださいね。